おなじみのロゴマークに関するエピソードやシンガーミシンの発展に
大いに役立った広告をご紹介します。
大いに役立った広告をご紹介します。
The Red "S" Girl
もうすっかりお馴染みとなったシンガー社の"S"マーク。近年になるにつれ、段々とモダンでシンプルなデザインに変わってきました。創業の時代から、今で言うキャンペーンガールとして多くの女性を雇用し、その簡単な操作性をアピールしていたのは良く知られています。ドレス姿の女性がミシンを踏んでいる古い写真を見た事があるのではないでしょうか?印象的なこの写真が、トレードマークの発端に成った事は想像に難くないでしょう。実際には1870年に、赤い"S"のトレードマークがデビューしました。勿論、世界で最も有名なマークになったのは言うまでもありません。
The Red "S" Girl
"SINGER"という言葉は創設者の名前からとった企業固有の名称ですから、ほとんどの国でそのまま表記されます。ミシンを踏む女性の服装が変わっていったのは、時代の移り変わりによるものですが、「"S"の文字は変わらないはず!」と思われるでしょう?世界中にミシンを広げたシンガー社ならではのロゴマーク、旅先などで探してみるのも良いでしょう。
Oil Bottles
缶が普及するまでの間、ミシンオイルはガラスのボトルにコルク栓という姿で売られていました。ここでは、美しいボトルと、その周辺のお話をしましょう。ラベルが付いていないボトルは、カマのエンブレムがガラスに浮き出したシンプルで美しい物です。
これは赤と緑で印刷された紙箱に入り、箱からは"お試しミシンをタダで使ってみませんか?"と読めます。お馴染みのシンガーガールのラベルが付いたボトルも勿論ありました。とりわけ美しい大きなボトルには、"ミシンと自転車に最も良いオイル"と大きく書いてあり、一番下には小さい文字で"自転車は売ってません"とあります。1890年代に大流行した自転車を、宣伝文句にチャッカリ取り入れた物で、宣伝上手と言われるのも頷けます。
Advertisements
莫大な費用を使ってその効果を上げていたシンガー社の広告は、あらゆる形をとって世界中に配られました。
ポスター、チラシ、絵葉書、トレードカード、
カレンダー、扇子、メジャー等々。
ポスター、チラシ、絵葉書、トレードカード、
カレンダー、扇子、メジャー等々。
シンガーミシンのコピー(偽物)が盛んに出回った時期には“Genuine”(純製品)という文字が強調されたポスターが貼られましたし、歌手(=シンガー)に引っ掛けて楽譜を作る茶目っ気を見せる時や、見るからに可愛らしい子供達の絵のトレードカードを配るときもありました。シンガーミシンの機能が素晴らしいから支持されたのは勿諭ですが、ユーザーである女性達の心を、よりしっかり掴んだのはこういった広告の結果なのです。
The Post Cards
博覧会で配られた、36枚組の美しい絵葉書のお話をしましょう。これはシンガーミシンが普及している国、つまり36ヶ国の人々がそれぞれの民族衣装を着てミシンを使っている写真を元に石版画で起こしたもので、1893年にシカゴで開催された博覧会で配られました。 36枚のうち、ノルウエーと日本の2枚だけが工業用、残りの34枚は家庭用ミシンを使用しており、その中でもマニラだけが手回しミシンになっています。
100年以上も経った現在では、地図から消えてしまった国もありますが、ミシンが世界中で使われていることを、これ程効果的に表現できたのも、シンガーミシンが世界中で愛されていたからでしょう。
~ なるほどシンガーコンテンツ ~